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📅 2026.06.11(更新 2026.10.10) | RYU NAKAZAWA
🎤 講演

ゴールしても引退しない|アラフィフのパラトライアスリートが、IRONMANに毎年挑み続ける理由

⏱ 約7分で読めます(3,267字)
室内マシンでトレーニングする中澤隆

目標をかなえたあと、急に力がぬけてしまったこと、ありませんか。

あんなにがんばったのに、ゴールしたら、次に何をすればいいのか分からなくなる。

僕は、それがこわいです。

だから、ゴールしても終わらない挑戦を選びました。

僕は中澤隆(なかざわ りゅう)です。視覚障害のB2というクラスで、パラトライアスロンをしています。盲導犬のシュクレと暮らしています。

2024年、IRONMANという226キロのレースを完走しました。13時間14分17秒でした。

そして次の年も、その次の年も、同じスタートラインに立ちました。

今日は、僕がなぜ毎年そこに立つのかを書きます。「人生現役」という、僕の大事な言葉の話です。

📖 この記事の目次
  1. メダルを目指す選手と、僕のちがい
  2. なぜ、IRONMANなのか
  3. 3年分の記録
  4. 「人生現役」という言葉
  5. 届いても、届かなくても、続ける
  6. 応援してくれる方へ
  7. この挑戦は、僕だけでは作れない
  8. 続いていく物語を、いっしょに

メダルを目指す選手と、僕のちがい

最初に書いておきます。パラリンピックを目指す選手たちを、僕は心から尊敬しています。

4年に1度の舞台に、人生をかけて準備する。その姿に、僕も何度も心を動かされました。

ただ、物語の形が、僕とは少しちがいます。

メダルを目指す選手の物語は、こうなることが多いです。

僕の物語は、こうです。

どちらがえらい、という話ではありません。形がちがうだけです。

僕の挑戦には、たおしたら終わりのラスボスがいません。

つまり、大きな目標をひとつかなえても、そこで物語が終わらない、ということです。

僕は、終わりのある物語よりも、応援してくれる人と毎年いっしょに続きを書いていける物語のほうを、自分の生き方として選びました。


なぜ、IRONMANなのか

IRONMANは、スイム3.8キロ、バイク180キロ、ラン42.195キロ。合わせて226キロです。

制限時間は17時間。その中で、最後まで進みきらないといけません。

……文字にすると、あらためて長いです。誰が考えたんでしょう。

なぜ、この競技を選んだのか。理由はシンプルです。

いっときの「いちばん」を目指すより、「挑み続ける」物語を作りたかったからです。

見えにくい僕は、ガイドといっしょに進みます。

スイムは、ロープでつながって泳ぐ。バイクは、2人乗りのタンデム自転車で前と後ろに乗る。ランは、横に並んで走る。

ゴールしても、次の本番が、すぐ来年にやって来ます。

だから「かなえたから引退」という道が、そもそもありません。

毎年、レベル1からやり直しです。

つまり、去年ゴールできたからといって、今年もゴールできるとはかぎらない、ということです。

それでも僕は、毎年体を作り直して、ガイドと同じスタートラインに立つというこのくり返しそのものが、自分の物語なのだと思っています。


3年分の記録

数字で書きます。

2024年。IRONMAN ジャパン みなみ北海道を完走しました。13時間14分17秒。PCクラス(障害のある選手のクラス)で3位でした。

2025年。2年続けて完走しました。15時間08分45秒。PCクラス2位。前の年より、タイムは落ちました。

2026年。IRONMAN JAPANを完走しました。14時間43分54秒。PCクラス2位。前の年より、約25分縮まりました。

速くなった年も、遅くなった年もあります。

僕には、11時間を切るという大きな目標があります。

正直に書くと、今の記録とは、まだ大きな差があります。

それでも、毎年ゴールするたびに、僕はそこでセーブをしています。

つまり、「今年はここまで来た」という記録を、ひとつずつ残している、ということです。

3年分の数字を並べてみると、いい年も悪い年もふくめて、応援してくれた人たちといっしょに進んできた道が、そのまま残っているように僕には見えます。


「人生現役」という言葉

僕は、「人生現役」という言葉を大事にしています。

死ぬまでレースに出続ける、という意味ではありません。もう少し、広い意味です。

人生のどの場面でも、挑み続ける生き方をしていること。

それが、僕の言う「人生現役」です。

たとえば、レース。たとえば、講演。

たとえば、家族との時間。妻との暮らし。盲導犬のシュクレと歩く毎日。

その全部が、僕にとっての「現役」です。

いつか、レースに出なくなる日は来ます。

でも、その日が来ても、ゲームオーバーではありません。

つまり、レースをやめても、挑むことまで終わるわけではない、ということです。

レースを離れたあとも、僕は講演や毎日の暮らしの中で形を変えながら、誰かに何かを届けることに挑み続けている人でいたいと思っています。


届いても、届かなくても、続ける

僕は、11時間を切ることを目指しています。

もし届かなかったら、引退するでしょうか。

しません。

もし届いたら、引退するでしょうか。

それも、しません。

届いても、届かなくても、僕は次の年もスタートラインに立ちます。挑むこと自体が、僕の人生だからです。

これは、応援してくれる人にとっても、意味のあることだと思っています。

あなたが応援してくれたあの1歩が、20年後にもまだ続いている挑戦の一部になっている。僕は、そういう物語を作りたいのです。


応援してくれる方へ

この「続ける挑戦」は、応援する側にとっても、長いおつきあいになります。

スポンサー企業の方へ。

4年に1度のメダルを目指す選手を支えるのは、すばらしいことです。

そのうえで、もし「会社の歩みといっしょに、長く育っていく選手」を探しているなら、僕はひとつの選択肢になれます。

届いても届かなくても、僕は来年も走ります。会社のロゴといっしょに、毎年スタートラインに立ち続けることができます。

講演を頼んでくださる方へ。

僕は、「昔すごかった話」だけを語る人ではありません。

今まさに挑んでいることを、その場で話せます。来年も、再来年も、新しい話を持ってうかがえます。

個人で応援してくださる方へ。

あなたの応援で、僕のHPは回復します。

つまり、苦しいときに思い出して、もう一度動きだす力になる、ということです。

「あのとき、あの人が応援してくれたから、今の僕がある」と何年たっても言えるような、長く続く関係を、僕は応援してくれる方ひとりひとりと作っていきたいのです。


この挑戦は、僕だけでは作れない

大事なことを書きます。

この挑戦は、僕だけでは作れません。

この全員が、僕の挑戦をいっしょに作ってくれています。

だから、僕を応援するということは、僕個人を応援するというよりも、みんなで作る挑戦の物語に、登場人物のひとりとして加わってもらうことなのだと、僕は思っています。


続いていく物語を、いっしょに

もしあなたが今、誰かを応援したいと思っているなら。

その人が「かなえて終わる物語」を生きているのか、「挑み続ける物語」を生きているのか、見てみてください。

どちらが正しい、ということはありません。あなたが長くいっしょに歩きたい物語を、選んでほしいのです。

そして、もし「挑み続ける物語」にひかれるなら。僕の挑戦に、加わってもらえたらうれしいです。

2026年9月、僕はIRONMAN JAPANを完走しました。

来年も、その次の年も、僕はスタートラインに立つつもりです。

そして20年後、レースを離れる日が来ても、ちがう形で挑み続けているはずです。

終わらない物語なら、ゴールした次の日の朝にも、もう次の1歩があります。

見えなくなっていく世界の中で、支えられながら挑み続ける僕のこの旅のどこかに、あなたが登場してくれる日を、楽しみにしています。


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「挑戦」「人生現役」「視覚障害」「ダイバーシティ」「みんなで作る挑戦」をテーマに、2017年から講演を続け、ここ3〜4年は年間50回前後で登壇しています。学校・企業・自治体問わず、対応可能です。スポンサーシップのご相談も歓迎です。盲導犬シュクレも一緒に伺うことができます。

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最後まで読んでくれて、ありがとうございます

中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。

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動画でも見られます:IRONMANシリーズ

25メートルも泳げなかった僕が、ガイドとロープでつながって226kmに挑むまでを、YouTubeで1話ずつ動画にしています。

▶ IRONMANシリーズを第1話から見る(YouTube)

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RYU NAKAZAWA | 視覚障害B2 パラトライアスリート・プロ講演家
盲導犬シュクレと共に、人生現役で挑み続ける