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📅 2026.07.02(更新 2026.10.10) | RYU NAKAZAWA
🎤 講演

学校に視覚障害の講演を呼ぶなら|依頼から当日までの流れと準備を、呼ばれる側が書きます

⏱ 約7分で読めます(3,496字)
ガイドロープで繋がり伴走する中澤隆

はじめての人に何かを頼むとき、最初の1通で手が止まること、ありませんか。

何を書けばいいのか。何が決まっていればいいのか。失礼にならないか。

考えているうちに、メールの画面を閉じてしまう。

「視覚障害のある人を、授業に呼びたい」と思った先生も、同じかもしれません。

当日はどう進むのか。盲導犬が来たら、教室はだいじょうぶか。子どもたちがワッと寄っていったら、どうしよう。

この記事は、そんな先生に向けて書きました。

僕は中澤隆(なかざわ りゅう)です。視覚障害のB2というクラスで、パラトライアスロンをしています。盲導犬のシュクレと暮らしています。

講演は、9年続けています。ここ3〜4年は年に50回ほど。小学校・中学校・高校が中心です。

今日は、「頼んでから、当日が終わるまで」の流れを、呼ばれる側の僕が、順番に書きます。

📖 この記事の目次
  1. 依頼のときに、決まっていればいいこと
  2. 会場と機材は、これだけ
  3. 盲導犬シュクレが行くときのお願い
  4. 当日の流れ
  5. 1校で、3回使えます
  6. よくある質問
  7. 依頼のしかた
  8. 先生へ

依頼のときに、決まっていればいいこと

最初に伝えたいことがあります。準備は、完ぺきでなくてだいじょうぶです。

先生の準備は、レベル1のままでかまいません。

つまり、ほとんど何も決まっていない段階で連絡してもらっていい、ということです。

依頼のときは、次のことがだいたい分かっていれば十分です。

「まだ全部は決まっていません」。それで、まったく問題ありません。

テーマも、いっしょに決められます。

僕が話せるのは、「視覚障害B2の生活」「IRONMANへの挑戦」「1ミリの行動」「障害理解」などです。

「今年は人権教育で」「総合の福祉の単元に合わせて」という学校のねらいがあれば、そこに合わせて話を組みかえますし、早めに相談してもらえたほうが、その学校に合った形を先生といっしょに作ることができます。


会場と機材は、これだけ

「特別な設備がいるのでは」と心配する先生が、多いです。

いりません。必要なのは、ふつうのものだけです。

スライドや映像は、なくてもだいじょうぶです。僕は、声と体験で伝えます。

そのぶん、機材のトラブルで止まる心配も少なくてすみます。

お願いは、ひとつだけ。

当日、会場までの案内をしてくれる方を、おひとりお願いしたいのです。

僕は、まったく見えないわけではありません。でも、はじめての場所では、入口から会場までの道を、目だけでつかむのがむずかしいです。

駅や玄関で「お迎え」をしてもらえると、そこから先はスムーズです。

正直に言うと、はじめての学校へうかがう日は、移動の段取りもふくめて、僕にとっては1日がかりの仕事です。

だからこそ、当日の「お迎え」と「お見送り」のひと声が何よりもありがたく、そこさえあれば、あとの特別な準備は本当に何もいらないのです。


盲導犬シュクレが行くときのお願い

講演には、盲導犬のシュクレもいっしょに行けます。

シュクレが入ってくると、子どもたちはおどろいて、よろこんでくれます。会場がふわっとあたたかくなる、あの空気が僕は好きです。

先生に、前もって知っておいてほしいお願いがあります。

むずかしいことは、いりません。「そっと見守る」を、子どもたちと共有しておく。それだけです。

それだけで、シュクレは安心して僕の隣にいられます。

さわりたい気持ちをぐっとこらえて、仕事中の犬をそっと見守るというその体験そのものが、子どもたちにとって、いちばんの障害理解の授業になると、僕は思っています。


当日の流れ

当日は、こう進みます。

  1. 到着・お迎え:駅や玄関で、案内役の先生と合流して、会場へ
  2. 控室で打ち合わせ:「どこから出るか」「マイクはどこか」など。短くてだいじょうぶです
  3. 講演:僕の声と体験で、生徒のみなさんへ。シュクレが登場する場面もあります
  4. 質問の時間:ここが、いつもいちばんいい時間になります
  5. お礼・お見送り:担当の先生にごあいさつして、失礼します

特別な段取りは、ありません。ふだんの集会や授業の、延長です。

控室での短い打ち合わせ。そして、お迎えとお見送り。この2つがあれば、当日はうまく流れます。

ちなみに、僕は毎回、どこかで「教わって」帰ってきます。

ある小学校では、4年生の発表を聞いているうちに、教えに行ったはずの僕のほうが、すっかり学ぶ側になっていました。

……どっちが先生か、分かりません。


1校で、3回使えます

ここは、「知らなかった」と言われることが多いところです。

同じ学校の中に、話を届けられる相手は、3つあります。

同じテーマをもとに、生徒にも、先生方にも、保護者にも話せます。

外から講師を呼ぶのは、手間も予算もかかります。だから、1回で終わらせず、1校で3回使う。学校にとっても、いい使い方だと思っています。

事前の動画や、あとのフォローもふくめて、年間のプログラムとして組むこともできます。

子どもたちに話しながら、僕はいつも思っています。

後ろで聞いてくださっている先生方にも、お父さんお母さんにも、本当は伝えたいことがあるのだと。

押し売りは、しません。

ただ、もし当日「うちの研修でも」「PTAでも」という考えが少しでも浮かんだら、その場で遠慮なく声をかけてもらえると、僕はとてもうれしいです。


よくある質問

Q. スライドや資料は、用意したほうがいいですか

いいえ。学校で用意してもらう資料は、基本的にありません。

Q. 当日、こちらが手伝うことは多いですか

いちばんのお願いは、お迎えとお見送りの案内です。それ以外は、ようすを言葉で教えてもらえれば、自分でできることがたくさんあります。

「あっち」ではなく「右に3歩」のように、具体的な言葉で言ってもらえると、見えにくい僕でも頭の中に場所を思いうかべることができて、とても助かります。

Q. 盲導犬がいて、教室や体育館はだいじょうぶですか

だいじょうぶです。シュクレは、仕事中は静かに僕の隣にいます。

Q. 予算がまだ決まっていません。相談してもいいですか

もちろんです。学校・自治体・非営利の場合は、事情に合わせてご相談ください。

Q. 団体や事務局を通してもいいですか

はい。マネジメント会社や団体を通した依頼も、いつもお受けしています。ふだんの窓口のままで、だいじょうぶです。


依頼のしかた

むずかしく考えなくて、だいじょうぶです。

先生にとっては、最初の1通がラスボスかもしれません。

つまり、いちばん気が重いのは、最初の連絡だ、ということです。

でも、こちらは、まったくこわくありません。

  1. サイトのお問い合わせフォームか、下の講演依頼ボタンから連絡する
  2. 希望の日・聞く人・人数・場所などを、分かる範囲で書く(決まっていないところは、そのままで)
  3. あとは、こちらからテーマや当日の流れをご相談します

「まだ検討中なのですが」という1通で、十分です。

費用のことも、その中で聞いてください。

決まっていないことが多くても、書けるところだけ書いて送ってもらえれば、足りないところは、やりとりの中でこちらからひとつずつおたずねします。


先生へ

「呼びたい気持ちはある。でも、当日うまく回せるか不安で、1歩が出ない」

そんな先生に、覚えておいてほしいことは、これだけです。

あとのこまかいことは、打ち合わせでいっしょに決めていけます。

準備を完ぺきにしてから呼ぶ必要は、ありません。

できるか、できないか、ではなく、どうやったらできるか。当日の流れは、呼ばれる側の僕が、ちゃんといっしょに考えます。

「まず相談してみる」というたった1通のメールが、あなたの学校の子どもたちにとって、忘れられない1日の入口になります。

🎤 講演のご依頼・お問い合わせ

「視覚障害B2の生活」「IRONMAN サブ11挑戦」「1ミリの行動」「障害理解」をテーマに、講演を続けています。小学校・中学校・高校・大学・企業・自治体問わず、対応可能です。盲導犬シュクレも一緒に伺うことができます。学校・自治体・非営利の場合の費用は、お気軽にご相談ください。

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最後まで読んでくれて、ありがとうございます

中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。

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動画でも見られます:僕の人生を16分で

緑内障の診断からIRONMAN完走までを、16分の動画にまとめました。

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RYU NAKAZAWA | 視覚障害B2 パラトライアスリート・プロ講演家
盲導犬シュクレと共に、1ミリの行動を続ける人