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📅 2026.05.07(更新 2026.10.10) | RYU NAKAZAWA
🎤 講演

高校の「挑戦」講演を探す先生へ|視覚障害パラアスリートが生徒に話していること

⏱ 約6分で読めます(3,601字)
ガイドとタンデム自転車でレースを走る中澤隆

「失敗したら、どうしよう」。高校生のころ、そう思って手を引っこめたこと、ありませんか。

もしあなたが、生徒に「挑戦」の話を届けてくれる講師を探しているなら。

もしあなたが、すごい人の成功の話では、生徒が遠くに感じてしまうと心配しているなら。

もしあなたが、聞いたその日に、生徒が少しだけ動きだすような時間を作りたいなら。

この記事は、あなたのためのものです。

僕は中澤隆(なかざわ りゅう)です。視覚障害のB2というクラスで、パラトライアスロンをしています。盲導犬のシュクレと暮らしています。

講演は2017年に始めました。ここ3〜4年は、年に50回前後、いくつもの都道府県の学校や企業、自治体で話しています。

今日は、高校生の前で、僕が何をどう話しているかを書きます。

📖 この記事の目次
  1. 高校生は、はじめて「自分で決める」
  2. 話は、自分の弱さから始める
  3. 「気合いじゃなくて、工夫」を見てもらう
  4. 続けるコツは、1ミリ
  5. クイズと、盲導犬シュクレ
  6. 生徒に持って帰ってほしい、3つのこと
  7. 実績と、ご依頼の方法
  8. 「転んでも、また立てる」を見せたい

高校生は、はじめて「自分で決める」

高校生は、進路、受験、人間関係、将来のことで悩む時期です。

人生ではじめて、「自分で決める」場面に立ちます。

そして、多くの生徒が、こう感じています。

だから僕は、成功した話の自慢はしません。

話すのは、失敗から学んだことと、止まらずに続けてきた理由です。

見えにくいという現実の中で、どうやって前に進んできたのかを、きれいにまとめずに具体的に話すと、生徒たちは「自分も一歩くらいなら出せるかもしれない」という顔になってくれます。


話は、自分の弱さから始める

講演は、僕の弱さの話から始めます。

31歳まで、僕はトライアスロンなんて縁のない人間でした。

高校は、工業高校の電気科です。1年のとき15クラスあったのが、3年では11クラスに減りました。僕の成績も、胸を張れるものではありませんでした。

このころの僕は、ずっとレベル1のままでした。

つまり、何かが少しうまくなる前に、いつもやめていた、ということです。

そして、27歳で緑内障と診断されました。31歳のとき、右目は五円玉の穴からのぞいているような見え方に、左目は目の前のグー・チョキ・パーが分かるくらいになりました。

そのとき、「自分の人生、このまま終わりたくない」と思いました。

できなかったころの話を先にするのは、すごい人の話としてではなく、同じようにつまずいてきた人の話として聞いてもらえたところから、挑戦の話はやっと届くのだと思っているからです。


「気合いじゃなくて、工夫」を見てもらう

僕がいちばん伝えたいのは、これです。

「できるか、できないか」ではなく、「どうやったら、できるか」。

見えにくくても、トライアスロンはできます。工夫があるからです。

「気合いじゃなくて、工夫」。これが、僕の合言葉です。

講演では、タンデム自転車の写真や、ロープを使って走る動画を、実際に見てもらいます。

「こんな方法があるんだ」。生徒たちは、おどろいてくれます。

その「こんな方法があるんだ」が、「自分の困りごとにも、何か方法があるのかもしれない」に変わっていく瞬間が、僕が講演の中でいちばん大切にしている場面です。


続けるコツは、1ミリ

トライアスロンを始めて半年ほどで、初めての大会に出て、1位になりました。

そのあと、アジア選手権で2015年・2016年と2年続けて1位。世界ランキングは、最高6位まで行きました。

でも、毎日が順調だったわけではありません。

朝6時半からプールで泳ぐ日。頭の中で、優しい声がします。

「行くの、めんどくさいな」「誰も見てないし、休んでもいいか」。

……アジアで1位になった人間の頭の中が、これです。

こわいのは、「今日はいいや」が1回入ると、次の日はもっと行きにくくなることです。止まるクセが、育っていきます。

だから僕は、「やる気が出たら行く」をやめました。行くための動きだけ、先にやります。

ここまでやると、体が勝手に動きだします。

「めんどくさいと思うときは、まず1ミリの行動」という合言葉を、僕は生徒たちに、すごい人の言葉としてではなく、毎朝めんどくさがっている大人の、正直な工夫として手渡しています。


クイズと、盲導犬シュクレ

講演には、参加型のクイズを入れています。「中ちゃんクイズ」です。

生徒たちは、拍手で答えます。

正解は、「読む」「見る」「しない」です。

本は、拡大読書機や音声図書で読みます。テレビは、55インチの画面に、20センチまで近づいて見ます。料理は、妻が担当です。

……3問目だけ、工夫の話ではありません。

相棒のシュクレの話もします。ラブラドールで、2022年に出会いました。

そして、盲導犬に出会ったときのお願いも伝えます。

クイズで見えにくい人の毎日を楽しく知ってもらい、シュクレの話で「気づかい」と「行動」の具体的な形を知ってもらうと、障害の話が、遠い誰かの話から、明日の通学路の話に変わっていくのだと思います。


生徒に持って帰ってほしい、3つのこと

講演で、生徒たちに持って帰ってほしいことは、3つです。

テーマは、学校の目的に合わせて調整できます。

「できない自分」を責めるのをやめて、「できる形」を探すほうへ頭を切りかえることは、進路でも、部活でも、人間関係でも使えるので、どの入り口から話しても、最後はここへ戻ってくるようにしています。


実績と、ご依頼の方法

主な実績を、まとめておきます。

ご依頼については、こうです。

お問い合わせは、メールでどうぞ。[email protected]

日にちや人数が決まっていなくても、「高校で、挑戦の話を」とひとこと書いて送っていただければ、そこから一緒に形を決めていけます。


「転んでも、また立てる」を見せたい

最後に、うまくいかなかった話をひとつ。

2026年4月、かすみがうらマラソンで、僕は25キロでリタイヤしました。

血液の中の二酸化炭素が倍になっていて、医学的な判断で止められました。

救護テントの椅子に座って、「ああ、無理だったな」と思いました。

同時に、こうも思いました。うまくいかない日って、ありますよね。

でも、あの日はゲームオーバーではありませんでした。

つまり、1回止まっても、あきらめなければ続きがある、ということです。

その年の9月13日、僕はIRONMAN JAPANを、14時間43分54秒で完走しました。

11時間を切る「サブ11」という目標は、まだ先にあります。70歳まで、挑戦を続けるつもりです。

生徒たちには、うまくいった話よりも、転んだあとにまた立ちあがるところを、言葉ではなく僕のこれからの毎日で見せつづけたいと思っています。

見えなくなっていく世界の中で、支えられながら挑み続ける。その旅を、仲間と一緒に。

あなたの学校で、生徒のみなさんに会える日を、楽しみにしています。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます

中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。

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動画でも見られます:僕の人生を16分で

緑内障の診断からIRONMAN完走までを、16分の動画にまとめました。

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テーマ:「挑戦」「障害理解」「ダイバーシティ」「盲導犬と歩む人生」

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