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📅 2026.05.04(更新 2026.10.10) | RYU NAKAZAWA
💪 挑戦

パラトライアスロンのB2クラスとは|視覚障害B2の僕が話す、クラス分けとレースの実際

⏱ 約5分で読めます(3,056字)
タンデム自転車でコーナーを攻める中澤隆

新しい世界に入ろうとすると、まず言葉が分からない。

そんな経験、ありませんか。

PTWC。PTS。PTVI。B1、B2、B3。

……アルファベットと数字が並んでいるだけで、そっと画面を閉じたくなります。

もしあなたが、パラトライアスロンに挑戦してみたい、と思っているなら。

もしあなたが、自分や家族がどのクラスになるのか知りたい、と思っているなら。

この記事は、あなたに向けて書いています。

僕は中澤隆(なかざわ りゅう)です。視覚障害のB2というクラスで、パラトライアスロンをしています。盲導犬のシュクレと暮らしています。

27歳で緑内障と診断され、31歳で視覚障害者になりました。トライアスロンを始めたのも、31歳です。

IRONMANという226キロのレースを、2024年、2025年、2026年と、3年続けて完走しました。

今日は、B2クラスとは何か、そのクラスでレースに出るとはどういうことかを、僕の経験から書きます。

📖 この記事の目次
  1. パラトライアスロンのクラス分けとは
  2. B1・B2・B3の違い
  3. B2の僕の見え方
  4. レースでは、ガイドとつながって進む
  5. クラス分けを受けるには
  6. 練習は基本ひとり。ガイドとつながるのは本番
  7. 3年分のIRONMANの記録
  8. B2クラスで挑戦してみたい、あなたへ

パラトライアスロンのクラス分けとは

パラトライアスロンには、クラス分けがあります。

障害の種類と程度で分けて、公平に競えるようにするためです。

大きく分けると、次の3つです。

僕がいるのは、3つめのPTVIです。

そしてPTVIの中が、見え方によって、さらにB1・B2・B3の3つに分かれています。

名前だけ聞くとむずかしそうですが、ようするに「体の条件が近い人どうしで競えるようにする」ための仕組みで、これがあるから、僕のような見えにくい人間もスタートラインに立てます。


B1・B2・B3の違い

視覚障害の3つのクラスは、おおよそ次のように分かれます。

数字は、目安として読んでください。正確な基準は、競技団体に確認するのが確実です。

僕は、B2です。

B2を「ビーツー」と読みます。

よく聞かれます。

「B2なら、少しは見えるんでしょ?」

はい。少しは見えます。

でも、その「少し」がどれくらいなのかは、言葉で説明してもなかなか伝わらなくて、僕はいつも、次の章のようなたとえを使って話しています。


B2の僕の見え方

僕の視野は、5度までです。

たとえるなら、トンネルの先に、小さな穴があいている。そんな見え方です。

晴れた日は、ものの輪郭が少し見えます。

でも、くもりや雨の日は、目のHPがほぼ0になります。

つまり、足元の段差すら分からなくなる、ということです。

同じ「B2」でも、天気と明るさで、見え方は大きく変わります。

だから、「少しは見える」と「レース中に見えている」は、別の話です。

波のある海を泳ぎ、時速30キロをこえる自転車に乗り、何時間も走り続けるレースの中では、僕は自分の目に頼って進むことができません。


レースでは、ガイドとつながって進む

では、どうやって進むのか。

ガイドと一緒に進みます。

スイム。

ガイドと、ロープでつながって泳ぎます。IRONMANでは、ロープを太ももにつけます。手は、泳ぐのに使うからです。

海では、波やうねりで方向が分からなくなります。まっすぐ泳いでいるつもりで、大きく曲がっている。よくあります。

バイク。

タンデムという、2人乗りの自転車を使います。前にガイド。僕は後ろです。

後ろの僕は、前が見えないまま、時速30キロ以上で走ります。

……文字にすると、なかなかこわい乗り物です。

路面のでこぼこも、カーブの先も、僕には見えません。下り坂では、ガイドの声だけが頼りです。

「右カーブ!」

「段差!」

ラン。

輪になったロープを、ガイドと手でにぎって走ります。横にならんで、同じリズムで。

スイムもバイクもランも、ガイドの声とロープの張り具合が僕の目のかわりで、相手を丸ごと信じることができなければ、この競技は1メートルも進みません。


クラス分けを受けるには

パラトライアスロンの大会に出るには、クラス分けを受ける必要があります。

おおまかな流れは、こうです。

手続きの細かいところは、変わることがあります。出る前に、競技団体に問い合わせてください。

僕が初めてクラス分けを受けたのは、2012年です。

当時は、TRI-6という名前のクラスでした。今は、B2として競技しています。

クラスの名前は変わっても、ガイドとつながって、自分の体で前に進むという競技の中身は、あの頃から何も変わっていません。


練習は基本ひとり。ガイドとつながるのは本番

これも、よく聞かれます。

「練習も、いつもガイドと一緒なんですか?」

違います。

練習は、基本ひとりでやっています。ガイドとつながるのは、レースの日です。

場所は、プール、ローラー台、公園。

プールでは、壁をさわって方向を確かめながら泳ぎます。

走るときは、慣れた公園をえらびます。

毎日のひとりの練習は、地味なレベル上げです。

つまり、すぐには結果が見えないけれど、少しずつ力がたまっていく時間、ということです。

ひとりで積み上げた力を持って本番の日にガイドと合流し、そこから先は2人でひとつのチームになって226キロを進むというのが、僕のトライアスロンの形です。


3年分のIRONMANの記録

数字も、正直に書いておきます。

IRONMANは、スイム3.8キロ、バイク180キロ、ラン42.195キロ。合わせて226キロです。

2024年(初挑戦・ガイドは河原さん)

2025年(ガイドは河原さん)

2026年(ガイドは平川さん)

PCクラスというのは、障害のある選手のクラスです。

2025年は、ランの後半で大きく遅れました。前の年より、2時間近くかかっています。

2026年は、そこから約25分、短くなりました。

順位が上がってもタイムは落ちる年があり、タイムが戻っても思いどおりにいかない場面がいくつもあって、3回走っても、同じレースは一度もありませんでした。


B2クラスで挑戦してみたい、あなたへ

パラトライアスロンのB2クラスは、見えにくい中での挑戦です。

でも、最初はみんなレベル1です。

つまり、最初から泳げる人、走れる人でなくても、始められる、ということです。

僕自身、トライアスロンを始めた頃は、25メートルも泳げませんでした。

そこから泳ぎ方を習って、少しずつ距離をのばしました。

もしあなたが、見えにくさがあって、それでもトライアスロンが気になっているなら。

まずは、パラトライアスロンの競技団体や、近くのトライアスロンクラブに、問い合わせてみてください。

見えにくくなっていく中でも、ガイドや仲間に支えられながら挑み続けることはできるし、その入口は、思っているよりもずっと近いところにあります。

一緒に、スタートラインに立ちましょう。


🔥 挑戦の続きを、見届けてください

2026年9月13日、IRONMAN JAPANを完走しました(14時間43分54秒・PCクラス2位)。この挑戦は、支えてくれる人たちと一緒に作る物語です。次の挑戦も、日々の練習やレースの様子を発信していくので、そばで見届けてもらえたら嬉しいです。

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最後まで読んでくれて、ありがとうございます

中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。

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動画でも見られます:IRONMANシリーズ

25メートルも泳げなかった僕が、ガイドとロープでつながって226kmに挑むまでを、YouTubeで1話ずつ動画にしています。

▶ IRONMANシリーズを第1話から見る(YouTube)

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テーマ:「挑戦」「障害理解」「ダイバーシティ」「盲導犬と歩む人生」

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